SPECIAL

新台検査の「検査」ってなにをしているの?

新しい台がホールにデビューする「新台入替」はユーザーにとってワクワクする特別なものです。話題の台が導入されたり、好きなコンテンツの台が導入されたり、新台入替には今までになかった台との出会いがあります。そんなワクワクする新台入替ですが、新台を営業させる前に「検査」なるものを必ず行わなければいけません。そしてこの検査でOKと認められなければ新台はオープンできないのです。

 

 

「検査後開店」や「新台入替検査のため店休日」など度々目にするこの「検査」、一体何をどう検査するのか知っていますか?

今回はこの検査にスポットを当てて、数年前まで検査に「よく立ち会っていた」というK氏に話を聞きました。

検査にはメーカーまたはメーカーの委嘱を受けた販社の立ち会いが義務化されています。しかし、メーカーと販社だけでは人数が足りず手が回らない場合、検査時のみ販社として検査に立ち合う方がいます。K氏はこの検査時のみ販社として検査に立ち会う仕事をしていた人物です。

 

検査は誰が何の目的でするの?

検査をするのは警察の生活安全課の方です。パチンコ営業は警察の管轄なので、警察の方に新しく導入する台に問題がないことを認めてもらい、初めて営業できるわけです。「警察官」というと、制服を着たあの警察官を想像すると思いますが、検査に来る警察官は制服ではなく、私服で来られます。車もパトカーでくることはほとんどなく、いたって普通の車で来られることがほとんどです。警察の制服を着てパトカーに乗って来られると、目撃した人から嫌な誤解を生む可能性がありますから、それを考慮して私服&一般車にしているのだと思います。

 

検査の目的は主に2つです。1つ目は事前にホールから所轄に提出した書類通りの台が設置されているかの確認。もう一つはそれらの機械が適合したものと性能が同じかどうかの確認で、簡単に言うと台に不具合がないかどうかの確認をします。確認後、問題なければ晴れて営業OKとなるわけです。

 

 

検査は具体的に何をしているの?

これは検査を行う所轄によって多少内容が違ってくるのですが、必ず行うのが「番号確認」です。この番号確認はパチンコ台に付けられた3つの番号を確認します。1つ目の番号は「製造番号」と言われるもので、これは盤面に付けられた番号です。次は「基板番号」と言われるもので、パチンコ台の命とも言えるメイン基板に付けられた番号です。最後は「枠番号」で文字通り枠に付けられた番号ですね。これらの番号がホールから申請した書類の番号と同じか、申請書類と照らし合わせながら確認します。

 

この番号を確認する時、所轄の方が自分で確認する場合や、ホールの方が番号を読み上げる場合、または販売業者の方が読み上げたり、所轄によって確認するスタイルが若干違います。

慣れれば所轄ごとの検査スタイルを覚えるのですが、慣れるまではホール役職者の指示に応じて検査に立ち会います。私が新人の頃、大きな声でハキハキ番号を読み上げられるように番号を読み上げる練習をよくさせられました。

実際、この番号読み上げは不思議なぐらい全員が滑舌よくハキハキと喋ります。普段は滑舌が悪い人もこのときばかりは滑舌がよくなるんですよ。なんのためにハキハキ喋るかというと、検査に来てくださった所轄の方に失礼がないようにです。検査において、所轄の方に失礼がないようにするのは、何よりも気をつけるべきことです。だから、全員驚くぐらい腰を曲げて低姿勢で所轄の方をお迎えしますよ。もし、機嫌を損ねるようなことがあれば…ブルブル

検査はそれぐらい緊張感ある現場なのです。

 

 

番号の確認が終わると次は機械の性能調査が始まります。主な調査項目は賞球確認と実射確認で、賞球確認は始動口(ヘソ)や、フロック(ポケット)にパチンコ玉が入賞したときに定められた数の玉が払い出されるかを確認します。もちろん、始動口に玉が入った時に問題なく液晶やセグが始動するかも合わせて確認されます。実射確認は、1分間に打ち出す玉が100発を超えないかを確認します。この検査方法は、あらかじめ100発の玉を上皿に用意しておいて、その玉が無くなる時間が1分よりも早くならないかを時間を計りながら確認します。

これらの検査をクリアした新台が、晴れてホールデビューできるわけです。

 

 

検査は地域差が大きい

①検査回数

いろんな地域の検査に立ち会ってきましたが、この検査は地域差が大きいです。まずは検査できる回数ですが、月1回のところがあったり、月4回行えるところがあったり、検査できる曜日が決まっていたり地域(所轄)によってまちまち。月1回しか検査ができないところはその1回の検査で1ヶ月分の新台を検査しなければいけません。検査の台数も必然的に多くなるし、検査にも時間がかかります。100台導入した場合、1台1台実射確認をしようものならそれだけで100分以上かかりますからね、そんな場合は数台チェックしただけで終わる所轄もあれば、実射確認はせずとも賞球確認は全台するとか、色々です。

 

②店休・検査時間

検査時に必ず休まなければいけないエリアと、開店時間を遅くして開店できるエリア、さらに営業しながら検査を行うエリアがあり、これはエリアによってあらかじめ決まっています。さらに前もって所轄の方が検査に来る時間を教えてくれる場合や、来る時間がまったくわからない場合、順番だけが決まっていて時間はわからない場合などエリアごとに異なります。

 

厄介なのはいつ来るかわからない場合で、この検査に立ち会う場合、9時にはホールに入らなければいけません。AM中に検査官が来てくれればいいですが、昼を過ぎても来ず、結局夕方頃になる場合もあります。この検査官を待っている時間が、結構苦痛なのです。

仮に9時に入店して15時まで来られなかった場合、6時間あります。特にやることはなく、ホール関係者の目線が気になり携帯もろくにいじれず、他の業者さんとお話しするにしてもお酒もなく6時間は長すぎて話せません。

私の場合は、ひたすらホールの中を歩き回って機種を見ただけで、スペックが言えるように訓練していましたね。この訓練が何かの役に立ったことはありませんが…。

 

 

検査は緊張するし、体力的にもハード

何度経験してもこの検査は緊張します。特別難しい作業をするわけではないですが、たまたま機械の調子が悪くて液晶の映りが悪いだとか、正常に払い出しされないとかそういうことが起きてしまえば新台がオープンできなくなりホールに迷惑をかけてめちゃくちゃ叱られますし、稀にそういう不具合が起きます。そのため検査前日の深夜にホールへ行き事前に機械に問題がないか確認することも多いです。

検査シーズンが重なると、毎晩23時からの納品に立ち会って機械が正常かどうか確認し、翌日朝9時にはホールへ検査に行く、この生活が1~2週間続きますから結構ハードですよ。

 

 

まとめ

K氏のお話しはいかがでしたか? ホール関係者の方は知っている内容が多かったと思いますが、それ以外の方にとっては新鮮は話が聞けたのではないでしょうか。番号の読み上げや、待ち時間、納品立ち会いなど、検査だけでなく検査までの工程も意外と大変ということがわかりました。これからは、ホール関係者の皆様と検査に関係される業者の皆様に、感謝しながら新台を楽しもうと思います!

 

※この記事は数年前まで検査に「よく立ち会っていた」というK氏のインタビューにより作成したもので、現在の検査とは多少異なる場合がございます。