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パチンコパチスロデータランド

平成29年末警察庁生活安全局保安課発表の「警察庁風営白書」。漢字が多くてお堅い感じが、いかにもお役所的な雰囲気を醸し出しています。これは店舗数、設置台数、1店舗平均設置台数パチスロ設置比率等のデータに基づきパチンコ・パチスロ業界の現状分析が掲載された冊子です。データベースを紐解くと、業界の動向や地域の特色など、パチンコ・パチスロ業界の今が見えてくるのです。さあ、データの世界を旅してみましょう。

 

まず、パチンコ・パチスロの市場規模を最も端的に示した店舗数の推移を見てみましょう。これは、しばしば、検索サイトのトップニュースにも取り上げられるデータで平成29年度末で10,596店舗。現在では1万店舗を割り込み、現在も加速度的に店舗数は減少し続けています。10年前の平成20年12,937店舗から、2,341店舗減。ピーク時の平成7年18,244店舗から、ほぼ半減しています。というわけでパチンコ東海版平成7年12月号をチラ見してみると、確かに閉店した店舗がチラホラどころかグループ展開していた法人そのものが無くなっていたりして、時代の移り変わりを実感しました。

 

出典元:警察庁「平成29年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」

 

しかし、総設置台数は平成20年度の4,523,515台から平成29年度は4,436,841台と減少こそしているものの、店舗数の減少幅より少なく、パチスロに至っては微増で推移しています。このデータから分かることは、中小店舗の閉店による店舗数の減少と店舗の大型化による1店舗あたりの設置台数の増加傾向です。ちなみに、現在最も設置台数が多い店舗は今年5月にグランドオープンした埼玉県さいたま市楽園大宮店の3,030台。2位の愛知県名古屋市のZENT名古屋北店の2,100台を大きく引き離しダントツの1位に躍り出ました。

 

遊技人口も平成7年の2900万人から毎年減少し平成29年には900万人となりましたが、それでも日本人の13人に1人が遊技を楽しんでいる計算になります。これは別記事に詳しく記載されているので、是非読んで頂きたいのですが、参考までに900万人はスウェーデンの人口とほぼ同じで、東北6県の人口に匹敵する数字です。スウェーデンの様な規模を持つ国家の国民すべてがパチンコ・パチスロを遊技している姿を想像してみようとしても、あまりに荒唐無稽過ぎて実感できないほど大きな数字ですよね。

 

 

下記に店舗数ベスト10を記載しました。これは単純に人口が多かったり、北海道や静岡の様に面積が広い都道府県が並んでいる順当なランキングで、あまり面白味がありません。人口が多い東京に対して大阪の店舗数が肉薄しているのが気になる程度です。

 

店舗数ベスト10

1位 東京都→891店舗

2位 大阪府→805店舗

3位 愛知県→583店舗

4位 神奈川県→564店舗

5位 北海道→542店舗

6位 埼玉県→538店舗

7位 千葉県→436店舗

8位 兵庫県→432店舗

9位 福岡県→388店舗

10位 静岡県→317店舗

 

これが1店舗平均設置台数ベスト10になると、様相が一変し、かなり興味深いランキングとなっています。

 

1店舗平均設置台数ベスト10

1位 富山県→532台

2位 佐賀県→515台

3位 三重県→511台

4位 福岡県→510台

5位 愛知県→499台

6位 熊本県→494台

7位 宮崎県→481台

8位 福井県→473台

9位 石川県→462台

10位 徳島県→457台

 

1位の富山県75店舗。2位の佐賀県が68店舗と店舗数が少なく単純に分母が小さいということもありますが、特に富山県は人口から考えるとあり得ないほど1000台クラスの店舗が立て続けにオープンしたニュースが話題になったほどで、1店舗平均設置台数でトップに踊り出た要因になったと推測されます。1位の富山県、2位の佐賀県や3位の三重県に共通するのは、郊外型の大型店舗が多いこと。中小店舗が閉店した結果、店舗数そのものは減っているが、1000台を超える大型チェーン店が出店したことで1店舗あたりの設置台数を押し上げ、寡占状態を形成していることが伺われます。

 

 

ただ、このランキングで異彩を放っているのが、4位の福岡県と5位の愛知県。店舗数では愛知県が3位、福岡県が9位にランクインしており、それぞれ人口が多い都市圏だけに上位にランクインしています。しかし、東京や大阪は1店舗あたりの設置台数ランキングには登場しておらず、東京に至っては下から数えた方が早いほど下位に位置しています。もちろん、これは分母が多いからというのが主な理由ですが、地方都市に混じって愛知県や福岡県が上位にランクインしている説明になりません。愛知と福岡に関しては、東京や大阪の様に駅前商店街にある様な都市型店舗は少なく、車社会のため、大型駐車場を完備したロードサイド店舗が多いことが挙げられます。また、元々人口が多くキャパが大きいため、大手法人が大型店舗を作りやすい土壌があったことも1店舗あたりの設置台数を押し上げた理由でしょう。

 

最後にパチスロ設置比率ベスト10を見てみましょう。

 

パチスロ設置比率ベスト10

1位 沖縄県→60.69%

2位 岡山県→48.00%

3位 鳥取県→45.39%

4位 広島県→45.04%

5位 山口県→41.79%

6位 東京都→41.60%

6位 島根県→41.60%

8位 茨城県→41.54%

9位 福岡県→40.73%

10位 兵庫県→40.45%

 

沖縄以外ではパチンコの設置台数が多いのが一般的ですが、沖縄ではほぼすべての店舗でパチスロの方が設置台数が多いため、2位以下を大きく引き離しての1位も納得です。沖縄は沖スロ30φ発祥の地であり、25φのことをチビコインと呼び、設置台数が多いことがウリになるほど、30φ(デカコイン)のシェアが高いのが特徴です。沖縄にしか設置されていない「トリプルクラウン」は沖縄に行った際には是非とも打ちたい沖縄名物ですよね。2位の岡山県は山佐の本社があるため、パチスロ熱が高いのかもしれませんが明確な理由は不明です。2位以下は僅差で並んでいますが、中国地方5県がすべてランクインしている点が興味深いですよね。こちらも理由は不明ですが、伝統的にパチスロ人気が高い地域なのでしょうか。

 

 

遊技人口、店舗数、売上ともに減少を続け、逆風が吹き荒れているパチンコ業界。これまで何度も危機を迎えては立ち上がってきた業界であり、縮小したとはいえ娯楽産業のトップランナーあることは間違いないところ。設定付きパチンコやパチスロ6号機など、どちらかというとネガティブな話題が先行していますが、5号機も初期の絶望的な状況から立ち直り、今に至ります。レジャーの多様化やスマホの普及など、パチンコ業界が衰退する要因を挙げればキリがないですが、低貸しにだって、ゲーセンにだって、そこにパチンコ・スロットがあれば打ちたい。その思いがある限り、打ちたい時にすぐに打ちに行けるパチンコ店がなくなることはないでしょう。