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『ピン芸人ですが、パチンコ店員やっています』原田おさむ氏スペシャルインタビュー(第3回・完)

 

 

2017年KADOKAWA「カクヨム」エッセイ・実話・実用作品コンテストを受賞した自伝エッセイ「ピン芸人ですが、パチンコ店員やっています」。著者である原田おさむ氏へのスペシャルインタビュー。3回に分けてお送りしてきたインタビューも今回で完結です。

 

第1回 <原田おさむとは?> はこちらをタップ

第2回 <芸人を目指したきっかけetc>はこちらをタップ 

 

 

 

—昨年の2月に本を出版

 

フェイスブックを昔からずっとやってるんですけど、そこに「パチンコ店の仕事ってどんな仕事なんですか?」って質問を貰ったんですよね。それに答えるかたちで「僕がパチンコ店員を始めたのは18歳の頃で…」「最初に働いたお店にはこんな店長がおって…」っていう自伝みたいなものを2、3年前から書き出したら結構反響が良くて。そしたらまた違う方から「面白いし、ちゃんと書けてるから一回出版社の人に見て貰ったら?」って言って頂いて。僕は出版社っていったら角川さんしか知らなかったんですけど、ちょうど角川さんが「カクヨム」っていう小説投稿サイトを立ち上げたばっかりで、そこに投稿したらコンテストの大賞まで選ばれまして。それで出版することになりました。ほんとにイレギュラーでしたね(笑)。

 

原田おさむの半生が詰まった『ピン芸人ですが、パチンコ店員やっています』。業界の裏話や笑える話だけでなく、泣けるエピソードも必見です。

 

 

—いい反響も悪い反響もあった

 

これまでの失敗談が主な内容なんですけど、パチンコ業界の暴露本に近い内容もあったりで、周りの反響はいいものばかりではなかったですね。現役のパチンコ店員なので仕方ない部分もあります。ただ色々と仕事も増えました(笑)。ライブに来て本を売って下さいとか、パチンコ業界のセミナー研修に呼ばれたりだとか、書店周りもしましたし。

 

出版後は全国のホール関係者からセミナーや社員研修に呼ばれることも。業界歴24年の自らの失敗談をもとにアドバイスを送っている。

 

 

—若い頃とは変わった成功の意味

 

若いうちは芸人としてテレビに出て売れたいっていう気持ちが強かったんですけど、いまは人の親になって、家族を持って。そういう状況になっての芸人としての成功っていうのは、テレビに出るとか売れるとかそういうことじゃないなって最近は思うんです。「パチンコ店員として頑張って働いている芸人さん」っていうひとつの括りで突き詰めていくしかないんちゃうかなって思うんですよね。芸人で成功した人は山ほどいるし、パチンコ店員で成功した人も山ほどいてるんですけど、この2つをきちんとやりながら世間から認められた人っておらんのちゃうかなって思うんですよ。だから、原田おさむといえば「パチンコ屋で働いて芸人もやってる人」ってすぐ出るようになれば、それが成功やと思うんですよね。芸人でテレビ出ようが、芸人で飯食ってようが、僕はこっちの方が立派やと思うんです。

 

 

—原田おさむの今後

 

僕にとって芸人は「骨」でパチンコ店員は「血」なんですよ。だから僕はこの2つで成り立ってる人間なんです。どちらか欠けてもただの腑抜けになってしまいます(笑)。パチンコ店員をここまで頑張れてるのも芸人をやってるからであって、芸人を頑張れてるのもパチンコ店員をやってるからなんだと思います。

芸人として知名度をあげるのはテレビが一番なんでしょうけど、僕はいまそこを目指している訳じゃないので。芸人として毎日毎日きちんとネタを作るってことと、パチンコ店員として今後難しくなっていくであろうこの業界をどうしていこうかって。今後は2つの仕事のこれからの壁をどう乗り越えていくかですよね。

 

 

—最後にパチンコ店員として頑張っている方たちへ

 

毎日毎日同じ作業を繰り返していると、お客さんがお客さんに見えなくなって、一つの物に見えてしまってくる時があるんですよ。例えば肩が当たってもなんとも思わないとか、すれ違う時にお辞儀をし忘れてしまうとか。すれ違うのって一瞬で、その時お客さんは僕しか見てないんですけど、僕らは一日何百人とすれ違うので気づかないで過ぎてしまったり。だから本当に一期一会っていう言葉を常に持って仕事をして頂きたいと思います。一人一人のお客さんを大事にってよく言うじゃないですか、綺麗事じゃなくて僕らパチンコ店員は常にその気持ちが身体に染み付いてないとダメだと思うんです。すべてのお客さんとの一期一会を大事にできるかってめちゃくちゃ大事なんですよ。だからこの気持ちは絶対に失わないで仕事して欲しいなって思います。最後にめっちゃ偉そうな話してしまってすみません(笑)。

 

 

<完>

 

 

 

編集後記

 

芸人としてもパチンコ店員としても、非常に真面目でストイックな原田さん。「緊張します」と言いながらも、笑顔でたくさんの話をしてくれました。「僕なんかが偉そうに」「どこでもネタしますよ」と、どこまでも謙虚な人柄を目の当たりにすると、本人は望んでいないかもしれませんが、テレビで活躍する原田さんを見たい、そんな気持ちになったインタビューでした。