SPECIAL

栄華の「パチンコ偏愛体質」

第1回 終わって始まる

 

 

パチンコウォーカー(以下PW)さんとは長いお付き合いになります。初めて企画ページに携わらせて頂いたのが2005年。そこから13年にわたって毎号一度も途切れることなく書かせて頂きました。長年親しんだ誌面とのお別れは名残惜しいですが、新たに始まったweb連載にわくわくしています。

 

 

PWさんとの関わりを時系列になぞると、私のパチンコライターとしての歩みが現れているなあと感じます。「名古屋のパチプロ主婦」と呼ばれた初期の頃はボーダーや止め打ちといった攻略について書くことも多かったですが、PWさんの誌面が充実し、執筆陣に凄腕のパチプロさんが加わると、私は次第に勝ち負けのことは書かない立ち位置になってゆきました。

 

 

2017年6月号から翌年5月号まで連載した「パチンコ偏愛体質」では、平和の『銀河鉄道999』の停止図柄模写をしたり(画像1)、豊丸の『ドラゴン伝説』の通常時変動音を採譜して歌詞をつける(画像2)など、「本人は超面白いと思っているが他者には取るに足らないことを真剣かつクソ真面目に語り、その姿を心優しい読書様がぬるく見守る」という私の真骨頂にたどり着いたと思います。

 

画像1  低クオリティの図柄模写】

 

 

画像2 『ドラゴン伝説』の通常時変動音に歌詞をつけてみた】

 

 

このweb連載も基本姿勢はそんな感じですが、懐が深すぎるPWさんは「誌面の頃よりさらに自由に書いてよい」とおっしゃるので、この際ずっと叶えたかった希望を実現してしまおうと思います。

 

 

それは、私がパチンコライターとしてもっとも力を注いでいる活動に関することです。全国のパチンコ店をひたすら訪ね歩き、興味の赴くまま写真を撮る「ホール探訪」。2009年の暮れから始めたこの活動は、私のライターとしての名刺代わりとなりライフワークにもなりました。

 

懐かしいパチンコ店の風景や思い出を、記録に残そうと活動しています】

 

 

訪れたホールの数は47都道府県・2200軒以上。この経験を生かして、これまで「パチンコ必勝ガイド」を中心に様々な企画ページを書いたり、撮影した写真を上映するトークショーに登壇してきましたが、その陰でずっと、あるお仕事の依頼を待ち望んでいました。

 

 

シンプルに「ホール探訪」そのものを素材にしたコラムの連載です。探訪中のふとした出来事や人とのふれあい、撮影や取材の裏話。一軒でも多くのホールを見るためにどれだけ過酷な移動をしているか。何時間もかけて足を運んだホールが解体されていた時に湧き上がる感情など、誰か「書きませんか」と言ってくれないかなあと思っていたのです。

 

 

実力も実績もないくせに自分から売り込むことをせずただ待ってるなんて怠惰ですよね。でも…この気持ちはなんだろう。たぶん、ただ仕事が欲しいわけじゃなくて、私の活動や経験に共感を持って、「聞きたい」という好奇心から声を掛けて下さるメディアが現れたら…という妄想なんです。「白馬に乗った王子様が」というレベル。

 

 

結局、王子様は現れませんでしたが、もしこの妄想を今、いちばん理想に近い形で「実現したかのように錯覚できる」としたら、13年間途切れることなく居場所を与え続けてくれたPWさんの連載しかない、と思うわけです。

 

 

1か月のうち20日もホール探訪へ出かけたり、そのために老後の貯蓄を切り崩したり、こうした無茶を見かねた人たちに助けられたりしながら憑りつかれたように全国を飛び回っています。今まで話す場所がなかった旅のエピソードや写真の数々を、話したい! 見せたい! という気持ちを裏切らず、まっすぐ発信できればと思います。

 

 

あ、もちろん時にはホール探訪以外にも、心を奪われたパチンコ台の話や、私が作詞・ボーカルをつとめる偏愛パチンコバンド、「テンゴ」の話なんかもしたいです。

 

 

「パチンコを通してしか世界を見られない人間に自由を与えたらこういうことになる」を体現する連載のはじまりはじまり。

ぬるくお楽しみに。